2024年8月4日更新
当科 柏病院の清水 昭博 先生の論文が、この度KI Reportsに掲載されました!
慢性腎臓病患者を対象とした臨床試験では、糸球体過剰濾過とSGLT-2阻害薬投与後のeGFRの初期低下(initial eGFR dip)との関連が示唆されています。
本研究では、ダパグリフロジン投与前5年以内に腎生検を受けた非糖尿病性腎臓病慢性腎臓病患者を対象とし、糸球体過剰濾過の代用マーカーであるglomerular volumeとInitial eGFR dipとの関連を調べました。Initial eGFR dipの定義は、ダパグリフロジン投与後の初回外来時のeGFRがベースラインに比して10%以上低下した場合としました。
60例の患者(平均年齢52歳、男性71.7%、eGFR中央値52.0mL/min/1.73m2)が試験に組み入れられ、glomerular volumeの増大はinitial eGFR dipと有意に関連していました。
多変量解析でも、initial eGFR dipに関連する独立因子として同定されました。
SGLT-2阻害薬投与前に測定されたglomerular volumeは、その後のinitial eGFR dipを予測する可能性があります。
糸球体過剰濾過を呈する患者はSGLT-2阻害薬に対してより感受性が高いことを示唆していると考えられます。
論文はコチラです(Pub Medにリンクします)
ぜひご覧ください!