2025年7月19日更新
当科の岡林佑典先生の研究論文
「Pathology-oriented multiplexing enables integrative disease mapping」 が、
世界的最高峰の科学誌 Nature に掲載されました!
本研究は、岡林先生が本学の学外研究員としてドイツ・ハンブルクにあるハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターに留学中に取り組まれたものです。
今回の掲載は、現医局員としては初めてのNature誌掲載となり、医局としても大変喜ばしい出来事です。
心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご活躍を期待しております。
120種類ものタンパク質を空間的に捉える画像解析技術「PathoPlex」を新開発
~特殊な装置を使わず高精度な空間プロテオミクスを実現~
【研究の概要】
東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科学講座の岡林佑典助教は、同講座の横尾隆教授の指導のもと、同大学の学外研究員としてハンブルク・エッペンドルフ大学医療センター 第三内科(III. Department of Medicine)に在籍し、Victor Puelles教授に師事しながら、多国籍の国際共同研究チームと連携し、1枚の組織切片上から120種類以上のタンパク質を高解像度に可視化し、空間的に統合解析できる世界初の技術「PathoPlex(Pathology-oriented multiplexing)」を開発しました。
PathoPlexは高解像度のマルチプレックスイメージングと、オープンソースソフトウェアによる高度な情報解析を組み合わせた手法であり、1枚の組織切片上から120種類以上のタンパク質を可視化・解析することができます。
これにより病気のごく初期の変化や薬剤の影響を細胞・分子レベルで空間的に捉えることが可能です。特別な専用装置を必要とせず、市販の抗体と一般的な蛍光顕微鏡で導入できるため、さまざまな研究施設で幅広く利用が期待されます。
さらに、これまで保管されてきた病理標本(FFPE標本)にも適用でき、過去の検体を使った新たな病態解析や診断研究の展開にもつながる柔軟性の高い手法です。
論文はこちらからご覧いただけます。(外部サイトにリンクします)
ぜひご一読ください!
岡林先生、素晴らしい快挙、おめでとうございます!
ますます張り切って研究に、臨床に頑張ってください!