当科の宮崎令奈先生のNELL-1陽性膜性腎症の症例報告がCEN Case Reportsに掲載されました.
NELL-1(Neural epidermal growth factor-like1)は,現在膜性腎症の責任抗原としてホスホリパーゼA2受容体についで多いとされています.発見当初特発性膜性腎症の原因抗原として報告されましたが,その後,悪性疾患,関節リウマチ,肝炎ウイルス,水銀含有薬剤などの二次性膜性腎症の原因抗原としての報告が増加しています.本症例はこれらの複数の基礎疾患を有してNELL1-陽性膜性腎症を発症し,最終的に進行性乳癌で亡くなられました.乳癌組織に強いNELL-1の発現が観察されたことから,乳癌がNELL-1陽性膜性腎症の発症に寄与していた可能性が高く,NELL-1陽性膜性腎症と診断された場合悪性疾患の十分なスクリーニングの重要性を強調しています.
宮崎令奈先生おめでとうございます.
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