腎臓再生研究に関しまして(患者様および医療関係者各位へ)

当科腎臓再生チームの研究内容につきまして、以前より各種メディア等で研究に関する記事を取り上げていただいており、その後今日まで多数のお問い合わせをいただいております。現在、相談のための診療予約が入り、通常の一般診療や研究業務に支障をきたす事態を招いております。誠に申し訳ございませんが、腎臓再生に関するご質問等での診察予約は受け付けておりません。また、現時点で再生治療の被検者様募集(治験)などは一切行っておらず、治験等に関する個別のお問合せについてはご遠慮申し上げております。この点、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。尚、患者様個人からのご寄付につきましても遠慮させていただいております。腎臓再生研究につきましては、進捗があり次第、当ホームページへ掲載予定でございますので、随時ご覧くださいますようお願い申し上げます。

東京慈恵会医科大学附属病院 腎臓・高血圧内科

The Jikei University Nephrology and Hypertension
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2026年2月9日更新

 

当科医局員の山口裕也医師*、佐々木峻也医師*、春原浩太郎医師#、坪井伸夫医師# (*第一著者、#責任著者)らは、低出生体重歴を有し青年期に腎生検を施行した3症例についてネフロン・ポドサイト解析を含めた症例報告をしました。研究成果は、Kidney Medicine誌に掲載されました。

 

腎臓の濾過ユニットであるネフロンの数は出生時までに決定され、その後増加することはありません。ネフロンを構成する重要な細胞であるポドサイトも、小児期に増加する可能性がありますが、基本的には増殖能や再生能に乏しく、加齢や腎疾患により減少していきます。低出生体重は、ネフロンやポドサイトが形成される母胎環境を反映するとともに、将来的な慢性腎臓病の発症・進展リスクと関連することが知られています。しかし、その詳細な機序は未だ不明です。

 

今回、低出生体重歴を有し、青年期に尿蛋白陽性となったため腎生検を施行した3症例についてネフロン・ポドサイトの形態解析を行いました。その結果、いずれの症例においても非硬化糸球体(ネフロン)数低値、ポドサイト密度低値、単一ネフロン糸球体濾過量高値などを認めました。これらの解析を通じて、低出生体重歴のある患者では、先天的な低ネフロン数や低ポドサイト数を背景として、肥満や体成長といった過剰な代謝ストレスにより糸球体過剰濾過が起こり、蛋白尿をきたしているものと考えられました。また、低出生体重歴に反映される腎臓の脆弱性が疑われる場合には早期介入・早期治療がより重要であることを裏付ける報告となっています。

 

論文はこちらです!(外部サイトにリンクします)

 

タイトル:Nephron and Podocyte Metrics in Adolescents With a History of Low Birth Weight: A Three-Case Report

著者:Yuya Yamaguchi, Takaya Sasaki, Kotaro Haruhara, Takeshi Tosaki, Daisuke Nakashima, Yu Honda, Shinya Yokote, Nobuo Tsuboi, Takashi Yokoo

掲載雑誌:Kidney Medicine

DOI: 10.1016/j.xkme.2025.101230